モンテッソーリ教育に基づく保育
マリア・モンテッソーリ
モンテッソーリ教育は、約100年前にイタリアのマリア・モンテッソーリという人が提唱した教育方法です。
彼女は、子供の活動する様子を観察し、子供が自分の体の中に持っている成長の道筋を見つけだすことから教育方法を確立していきました。
その最大の特徴は、子供は自分で自分を成長させていく「自己開発力」を持っていると気づいたことです。そして、それぞれの年齢にははっきりとした成長の特徴を明確にしました。
その自然な発達のリズムに合わせた教育は、子供に無理なくすすめられます。
また、子どもを取り巻く大人たちの役割をはっきりとさせました。
大人は、子供が自分自身で成長するために手助けする存在であり、成長するための場を整える存在であると提唱しました。
自由とは
自由とはなんでしょうか。
『自由』とは、「好き勝手」とは違います。
そこには選んだことへの責任があると考えています。
自分で選んだものには必ずルールがあり、それを守り活動することで気持ちの良い満足と落ち着いた心、友達関係が築かれていきます。
そんな子供たちの姿はとても素敵です。
モンテッソーリ教育
モンテッソーリ教育の活動は『日常生活の練習』『感覚領域』『数領域』『言語領域』『文化領域』に分けることが出来ます。
日常生活の練習
幼稚園の中には身体を動かしたり、手を使ったりする活動がたくさんあります。
子供たちは様々な活動をすることで自分の思い通りに動く身体を作っていきます。
そして、思い通りに動けるようになると「自分で何でもやってみよう」という気持ちが湧き上がってくるのです。
自分で決めたことをやっている子供たち、みんな生き生きとしています。
感覚教育
赤ちゃんが生まれてからいろいろな事を知っていく過程
それは『知性』の働きです。
その出発点は、”比べる”という活動です。
比べることで”同じ”や”仲間わけ””順序”などを体験して理解していきます。
子供たちはこのような体験を『感覚』を使って行います。
視覚や聴覚だけではなく触覚、味覚、嗅覚など一番敏感で、一番興味を持つ時期が幼児期です。
数教育
幼児期は非常に秩序感の強い時期です。
物をまっすぐに並べたり、順番にこだわったり、いつも決まった場所に決まったものがないと気持ちが悪い時期です。こういった秩序は数につながりを持っており、人間は生来ある程度の「数学的精神」と呼ばれるものを持っているという証拠でもあります。(松浦公紀『幼児のちから』より抜粋)
秩序感から出発した数活動を具体物を使って行うことは、魅力ある楽しい世界です。
言語教育
言葉を使うためには いろいろな事柄を”わかっている”ことが必要です。
「これは何?」と物の名前に興味を持つのもこの時期です。
そして文字にも興味が出てきます。
自分の体を思い通りに動かすことが出来るようになった子どもたちは、文字を書いたり、読んだりすることにもチャレンジを始めます。
文化領域
マリア・モンテッソーリは『平和を創りだすのは子どもたちです」と言っています。
自然の不思議さ、豊かさや生命の神秘、世界の国々などについて興味を持ち知ることは、『違いを受け入れる』こどです。
「無知からの解放」そして平和を創りだす人となるために大切な経験です。